乳児院の子どもたちにとって、個人アルバムは成長と生活の記録であり、自分の生い立ちを振り返る際に開く大切なものである。近年児童養護施設等で取り組まれているライフストーリーワーク(LSW)でも活用されている。 一方、当院のアルバム作成マニュアルにはLSWを視野に入れた目的設定が無かった為、誰の為に、何の為にアルバムを作るのかが不明確であった。 そこで、保育者全員がLSW研修を受講し、従来のアルバム作りを振り返る機会を設け、研修前後にアンケートを実施し、既存のマニュアル等を見直した。 取り組みの結果、アルバムについて保育者間で話し合う機会が増えたことで、研修後に作成した個人アルバムでは、子どものその時特有の行動や言葉の記録が増える、面会時の雰囲気が分かる写真が増える等、より子どもの様子が振り返り易くなる工夫が多く見られた。今後も乳児院で暮らす子どもたちの生い立ちを語る記録の在り方について模索していきたい。
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